Stalkerって何

 「追っかけ」というのをご存知だろうか。ファンがひいきにしているタレントを一日中追い回すこと、および追い回す人をいう。80年代の松田聖子型アイドルの出現と共に誕生したといってもいい、ファンの行動である。

 追っかけをする人々は、大抵中学生か高校生であるので、彼らの「追っかけ業」は放課後から始まる。彼らは、タレントの予定に精通していて、まるでマネージャーのようである。また、追っかけ同士の情報交換もあるらしく、そのタレントの今後の予定などの情報を確認しあったりもするという。

 彼らは、概して他のファンと一線をひきたがる。どちらかというと、タレントのボディーガードをしているといったニュアンスなのである(もちろん、タレントに何回触ったかと競う追っかけもいるそうであるが)。時には、他のファンをしきったりしてタレントがTV局から他のTV局へ移動するのを助けることもある。

 面白いことに、現在タレントとして活躍している人の中にも、その昔他のタレントの追っかけをしていたという人も多いという。こういうのをミイラ取りがミイラとでもいうのであろうか。

 いずれにしても、追っかけというのはタレントにとって人気のバロメーターでもあり、悪い気はしないのだろう。

 しかし、英国では話が違う。

 このところ大いに問題になっているのが、stalkerという犯罪にならない犯罪である。stalkerというのは、ある特定の人物をひつように追い回し、相手に精神的、肉体的ダメージを与える人のことである。米国では、すでにstalkerを取り締まる法律ができているので、それを犯罪として立件することは比較的容易である。

 しかし、ここ英国では、まだ法的整備がなされていないため、stalkerが被害者に対して何等かのアクションを起こさない限り、逮捕することができないのが現状なのである。

 例をあげるなら、4年間にわたり仕事の帰りや外出時につけまわされたとか、振られた腹いせに付きまとうといったことである。これらの場合は、警察に訴えても何の効果もない。中には、何度警察に訴えても何もしてくれず、そのうちにstalkerに自宅でレイプされてしまったという悲しい話もある。そうでなくても、stalkerがエスカレートしてきて、脅迫まがいの行動に出ることもある(もちろんこの場合は警察が介入できるが)。

 先日も、勇気をもってstalkerを裁判に訴えた女性が敗訴してしまった。まさにstalker天国なのである。

 もちろん英国政府とて事態を軽視しているわけではない。早急に法律を整備してstalkerを取り締まろうという動きもある。ただ、日本と同じで動きが遅く、その間にも被害が拡大しつつある。

 stalkerは、タレントの追っかけと違い、追っかけられた人にとってはいつ襲われるかといった精神的なダメージを与える。そのため病院通いになったり薬づけやノイローゼになったりする人も多い。犯罪になる前に、被害者が精神的にダウンしてしまうことがになり、それがstalkerの狙いの一つでもあるようだ。早急に対処しなくてはならないだろう。

 米国や英国で起きたことは、大抵日本でも起きるものである。日本もこれを他山の石として早めに対処したほうがいいだろう。そういえば、西村知美の姉の家に賊が侵入して「西村知美に会わせろ」と脅迫したなんて事件もあったが、これなどもstalker的犯罪が増える徴候なのかもしれない。

 今日は、ちょっとまじめ過ぎたかも知れないが、真剣に考えるべき問題であることには違いないだろう。

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