電話のかけ方
BT(British Telecomminication)は、MCI社を合併したため、世界第2位の電話会社になったという。そうでなくても複雑なサービス体系を持つBTが、更にいっそう複雑になっていくようで、消費者としては難しい選択をしなくてはならないかも知れない。市内料金であろうと、契約しだいでは安くなったり、高くなったりしてしまうからである。
また、筆者が利用しているサービスであるプレミアラインなどは、15%の通話料金割引に加えて、電話使用料に応じて得点が与えられ、それを集めることにより、商品やら飛行機のチケットの割引などの特典を受けることが出来る。いろいろな割引制度を利用すると、利用しない時と比べて、25%の差がつくのだから、消費者も賢くならなければならない。
最近は、日本でもいろいろなサービスが導入されているらしい。商品名は何というのか知らないが、あらかじめ登録した番号への電話料金が割り引かれるサービスとか、登録した電話番号を深夜に使う時は、いくら使っても定額料金などといったサービスがあると聞いた。インターネットが普及するにつれ、さらにこれらのサービスが拡大することは間違いない。ニューヨークみたいに、市内電話ならつなぎっぱなしでも月々20ドル程度というような話も夢ではないかも知れない。
ここで、一気に極めて卑近な話題へと移る。
日本国内で交換台を通す電話がなくなったのは、そう遠い昔の話ではない。正確な年は覚えていないが、筆者が生まれた後の事であったことは確かだ。技術立国日本でもそうならば、新技術導入を頑固なまでに拒否するのが生きがいとでも思っているかのような英国なら、いまだに古い電話が残っているに違いないと思うのは、決して筆者特有(?)のおかしな考え方ではあるまい。
そしてとうとう見つけてしまったのだ。英国の古い電話システムを。
学会でWarwichへ行った時の事であった。学会会場は、大学のキャンパスであり、宿泊施設も大学内の宿舎である。当然、とってもBritishな造り(日本語では俗にボロいという)であることが想定される。筆者も最悪を想定し、現物を見た時にショックのあまり立ち直れないなんてことがないようイメージトレーニングしていったことは言うまでもない。
しかし、いざ着いてみると意外な程にモダンな造りであることに、逆にショックを受けてしまった。各部屋にバスタブ付きのシャワーがあった(もちろんお湯がでた)し、暖房もきちんと動作していたのである。
英国もなかなか捨てたものじゃないなあ、と思ったのも束の間、電話をかける時に古き物をこよなく愛するBritish精神の洗礼を受けてしまったのだ。
日本であろうとも、アメリカであろうとも、ましてや英国であろうとも、公衆電話のかけ方は同じである。受話器をはずし、お金を入れ、ダイヤルする。会話中に料金が足りなくなれば、追加のコインを入れる。これだけである。
しかし、ここでは違ったのである。受話器をとるところまでは同じだが、その後、まずダイヤルし相手が電話口にでたところで、コインをいれ初めて通話が出来るようになるシステムであったのだ(通話開始時にボタンを押すものもあるらしい)。
そんなことは、全く知らない筆者は、通常通り電話をかけようとしたのである。お金を入れた時に、なぜかお金が戻ってきたのだが、「おお、無料でかけられるようになっているのかなあ」などとのんきに思う(前に人がかけていたので電話が壊れているとは思わなかった)だけで、特に疑問に思わなかったのである。
ダイヤルして相手がでた。しかし「もしもし?」といっても相手は答えない。相手も「もしもし?」といっているだけのである。そのうち、ガチャンと切られてしまった。そう、こちらの声が相手に届いていなかったのである(この電話のシステムに気付くまでに、同じことを3度もやっってしまった)。
それにしても、電話口で相手が、「何これ、やんなっちゃう」とか罵っているのを聞くのは、普段見ない面を垣間見た(聞いた)ようでいい経験であった。
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