夏が終わって

 今年の夏は、英国としては記録的な暑さであっ(筆者注:この原稿を書き始めたのは9月のことである)た。そのせいかどうかは知らないが、筆者は、多忙な毎日を過ごすことになった。もちろん仕事が忙しかったという意味ではない。私的なことで忙しかったのである。暑い夏に忙しいと言えば、観光である。

 しかし、今年の夏は、観光は観光でもちょっと違った。というのも、筆者本人も驚いたことに、この夏の間に9人もの方々が英国に遊びにいらしたからだ(筆者注:この数は、私がお会いした日本人の方々の数であって、英国に来られた全日本人の数ではない)。旧知の親友もあれば、ホームページで知り合った方もいらしたし、友人の友人という、英国滞在者ならではの不可思議な「友達の輪」の方もいらした。「これでは、まるで、英国に滞在している日本人の生活のようだ」(過去の英国見聞録を参照のこと。ただし、筆者もどこに書いたかは記憶にない)と思うほどであった。

 仕事、観光と目的は違っても、英国に来たからには、名所を見てまわり、お金を落としていくというのが日本人としての勤めである(本当に財布ごと落としていった方もいらっしゃるらしいが・・・。正確にはすられたというのかな)。日本のODA削減を懸念する声があがる今日この頃、もっともパワーがある日本人観光客が海外で使うジャパンマネーで、その減少分を補わなくてはならないのだろう。

 それはさておき、お会いした方々と体験した様々な出来事の詳細を紹介すると、その人であることがわかってしまって、ご迷惑をかけることもあるかもしれない(まあ、そのうち時効が来たら勢いで書いてしまうかもしれない)ので省くが、夏が終わって訪問する方々がとだえた今、少々の雑感を書き留めておこうと思う。

 正直言って、日本にいたら経験できないような出会いができたことは非常に楽しいことであった。旧友はともかくとして、ホームページを作って以来、筆者が英国に住んでいるからこそ出会う(実際に会っているかどうかは別として)ことができた人々は、筆者にとってこのうえない宝物である。その宝物である人々と会うことができたということは、ハリソンフォードが扮するインディージョーンズが、ナチと戦いながら宝物を探し当てた時の喜びと同程度と言っては言い過ぎだろうか。

 さて、この夏にお会いした9人の中で、もとからの知り合いであった方はたった1人である。それ以外の方は、すべて初対面であった。飛行場まで迎えに行ったり、ロンドンの町中やホテルで待ち合わせしたり、お会いしたことがないがゆえに、はらはらすることも多々あった。

 他のロンドン駐在の日本人と違って観光案内に慣れていない筆者は、大英博物館に案内しても説明できないとか、とても観光とは思えない場所(ノッチンヒル・カーニバル。詳細はそのうち英国見聞録で紹介する予定?)に連れていってしまったり、はたまたBritish時間で約束の場所に到着(日本語では遅れたという)してしまったりと、滅茶苦茶であった。そのため、帰国後、音沙汰がないと、ご立腹されたのではないかと少々心配したりもする。

 結局のところ、訪問者をだしにして筆者が一人楽しんでいたのではないだろか。感謝の念とともに、すこし反省の気持ちをいだいた筆者であった。

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