Warwick城

 お城シリーズ第三弾である。英国が誇るお城のうち、ウインザー城、リーズ城については既に書いてしまった。そうなると、ウォーリック城も書いておかなくてはなるまい。それが公平というものである。



 公平といえば、英国人は、公平という概念が大好きである。何かというと、「それはフェアではない」とか「フェアにするためには、彼にも知らせなければいけない」などと口にする。これは、一見素晴らしい精神に思えるが、実はそうでない部分もある。裏の意味も考えなくてはいけないからだ。

 筆者のように偏見に満ちた感情を持った人間は、フェア、アンフェアという言葉を頻繁に聞くということは、どこかでアンフェアなことが日常的に行われていることを示唆するものである、と解釈してしまうのだ。この考え方は、必ずしも間違っているわけではない。

 例えば、前保守党政権下、一部の上流階級への財産の集中が起きたのは自明のことであり、労働者の給料を据え置きながら、管理職の給料を倍増するということをやってきた過去がある。一見裕福になったように思える英国も、低所得層の貧困状態は改善されず、むしろ悪化しているという報告もあるぐらいである。これをアンフェアと呼ばずして何をアンフェアと呼べるだろうか。

 さて、政治的コメントは、英国見聞録には似つかわしくないので、ウォーリック城の話へと戻ることにしよう。

 筆者得意の比喩を用いて説明するなら、ウォーリック城は、ビートたけしのようなお城である。人を楽しませながらもちょっとまじめなそぶりを見せようとする、かと思うと泥臭さをもちあわせる、そんなお城なのである。ちなみに、ウインザー城は、二枚目を装いながら不倫がばれてしまって「不倫は文化だ」と、とぼけたことを言う石田純一、リーズ城は、松田聖子との離婚で同情されているが、容姿の良さの割には主役にはなれない神田正輝といったところだろうか。

 ますます、わけがわからなくなってしまったかもしれないが、とにかく、そんなお城なのである。

 ウォーリック城に入ってまず向かうのは、地下牢であろう。入り口脇にあるからだ。筆者が行ったときは、かなりの人が列をなしていた。列を見れば並ばなくてはならない。六法全書をひもといても書かれていないが、列を見たら並ぶのは英国では決まりである。もちろん、憲法ですら成文法ではない英国(違ったかなあ)なので、成文化されているかいないかということは問題ではないのかもしれない。



 とにかく、そこに並ばなくてはいけないという衝動にかられてしまう(上の写真)。しかし、それは押しとどめることをお薦めする。正直言って大した事はない。筆者などは、3秒見ただけででてきてしまったぐらいだ。それより、お城の城壁から眺める景色やお城の中を散策する方がはるかに密度が高い時間を過ごすことができるであろう。それに、観光客の勤めとして、下の写真のようなこともすべきであろう。



 そして、英国人の気持ちを味わいたかったら、庭園を歩こう。もちろん、雨が降っていてもただ歩くのである。それが英国人の気持ち知る最良の方法である。そこに何等かの快感を見いだしたとき、それはBritishになった証しとも言えよう。

 最後になったが、お土産物屋さんは不毛である。お土産物を買うという日本人としての責務を果たせないと罪悪感にかられた方は、ウォーリック大学の「チャッピー」というアヒルの人形でも買っていこう。こちらの方が、はるかにお土産物として優れているだろう(下の写真がチャッピーである)。



前へ
次へ