ベッカム
と、思ったのであるが、イングランドのワールドカップは終わってはいなかった(筆者注:この文章は前回から続いている)。
イングランドが、毎度お決まりのPK戦によってアルゼンチンに負けた翌日から、新聞のスポール欄は、「10人の獅子と1人の愚かな子供」に関する話題で盛り上がっている。ご存じない方のために説明しておこう。今ワールドカップにおけるイングランドの歴史的敗戦は、名門マンチャスター・ユナイテットのMFであるベッカムの愚かな行為が原因であるとされている。もちろん、愚かな行為とは、アルゼンチン選手のファールによって倒されたベッカムが、倒れた姿勢でアルゼンチン選手を蹴っ飛ばし、即レッドカードで退場となったことをさしている。
それまでアルゼンチンと対等に戦っていたイングランドは、一人退場になったことにより、本来はFWであるシェアラーを守備に回さなければいけなくなり、結果的に防戦一方となってしまったのである。
さて、このベッカムは、なかなかの美男子である上に、今をときめくスパイスガールのメンバーと婚約し、まさにこの世の春を満喫していていた時であった。そして、ワールドカップ出場と、これ以上の幸せはなかっただろう。それが、一気に奈落の底の落とされることになろうとは、誰も想像していなかったことであった。
現在、ベッカムが9月から始るプレミアリーグでマンチェスター・ユナイテッドのグランドに立てるかどうかは、微妙なところといわれている。本人の精神的な問題もあるが、スタンドからのやじや警備の問題から、ベッカムを試合にだすことに問題があるのではないかと言われているからである。下手をすると、海外のチームへの移籍、そして将来的にもイングランド代表復帰の可能性0ということもありうるという。
真偽のほどは確かではないが、ベッカムとレッドカードを出した審判との過去を暴き立ていている新聞もある。この審判は、かつてベッカムの汚いファールに対して警告の意味を込めてイエローカードを出したことがあるというのだ。しかも、その時に、今度やったらレッドカードだと忠告していたともいわれる。
これが本当であるならば、ベッカムの行った行為は、実際の行為以上に愚かなことといわざるをえないだろう。
かくして、フットボールの発祥の地・イングランドの32年ぶりの優勝は、ベッカムの「ひと蹴り」で消えたのであった。
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